辻堂の家 続・辻堂の家
辻堂の家 続・辻堂の家
Tsujido house 1・2
神奈川県藤沢市
○辻堂の家
敷地は藤沢市の中央南部に位置している。海岸まではいくらかの距離があるものの、近くを通る国道の両脇には背の高い赤松や銀杏が生い茂り、特有の雰囲気を感じることが出来る。
敷地に比較的余裕があるため、建物は平屋建てとし、周辺環境に馴染むように高さを抑えながら、将来、北側に計画予定の子世帯住居からの南側眺望を妨げないように、片流れの屋根の傾斜を北側に低くなるように考えた。
東西方向に長い長方形の建物は、中央のLDKを中心に、両端に客間、寝室等を配置し、北側には、庭に向かって全開出来る木製建具を、南側の国道側には比較的高い位置に窓を設け、プライバシーを保ちながら、光りと樹木の緑を眺められるように計画した。また、障子や南側の強い日差しを和らげる経木簾戸を壁面に収納させることにより、季節により異なる居間の光りを調節出来るようになっている。
○続・辻堂の家
子供が独立してしまうと大きな家が必要なくなることはよくある。また、子供が所帯を持ち再び戻ってくるとなるとそのままの家では住みづらい。この計画は生まれ育った住宅の広い庭の一部に両親が住む平屋のバリアフリー住宅(辻堂の家)を建て、その後、子世帯の住む家(続・辻堂の家)として既存家屋の建て替えを段階的に進めた。初期計画から子世帯住宅の竣工までには8年半の歳月を経ている。
設計初期段階からライフスタイルの異なる親子二世帯が同じ敷地内に暮らすために、適度な距離感を保つものとして中庭を挟み、親子それぞれの生活空間を確保すると共に、互いの建物のボリュームがちょうど周囲への目隠しになるようコの字型の建物配置を計画した。こうすることで二軒の住宅によってコートハウスのような構成となり、中庭は近隣からプライバシーが保たれた空間となる。
親世帯の設計にあたっては既存家屋の日照を妨げないよう高さを押さえた片流れ屋根の平屋とした。そして既存家屋に数年子世帯が住み、互いの暮らしにちょうどよい距離感を探りながら、子世帯の設計へと至った。子世帯は必要なボリュームから二階建てとなったが、建物の一部を地中に埋め、親世帯から見た際に空を遮らないよう高さを抑えた。
構造設計 | |
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主要用途 | 専用住宅 |
構造 | 木構造 |